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年末年始に向けて、マンガの在庫を厚めにとって、本社から「やりやがったか」と思われてそうなコス@本です。まぁ仕入れをやれるのがアレなんで、やれる時にやってみました。先手必勝。

年末年始に向けて大量に仕入れたものに『おおきく振りかぶって』(講談社)があり、仕掛けてサンタさんとお年玉の大人買いで、爆売りしたいと思ってるのですが、コレが売れるかどうか非常に心配。で、さっそく1巻~8巻まで購入して読んでみました。野球を通して個人の心理的な要素が織り込まれて面白いのですが、如何せん最近は『シグルイ』(秋田書店)や『ドロヘドロ』(小学館)など鮮血と内臓が飛び散る問題は暴力で解決万歳系なものを読んでて、読み初めは受付にくかった。

野球は詳しくないので作戦の詳細まで理解できなのが残念。ただ試合中の駆け引き的なものは、素人でも手に汗にぎります。バッテリーと打者、監督と監督、チームとチームと、水面下で火花が飛び散ってます。それに無茶苦茶な必殺技がないにも親しみがわきます。主人公三橋廉は『わたるがぴゅん!』(集英社)の主人公与那覇 わたるが投げるハブボールみたいなものを投げれるようですが、キャッチャーの阿部のリードなしでは普通に打たれるみたい。

ストーリーですけど(ここからネタバレ)、3巻のはじめの試合と4巻の県大会抽選の時に他校の選手の露出が多すぎて、こりゃ一回戦で負けたら、このページがほとんど無駄になっちゃうということで、桐青高校に勝つのは必至だなと思ってしまって、展開的なスリルはあまりなかった。こちとら『ピュ~と吹くジャガー』(集英社)で幾度も想定外の展開にやられてますから、ちょっとやそっとではビクともしなくなってる。あの鬼才の展開は一寸先も読めない。それでも「おぉそおいや」というような、いい伏線が仕掛けられてるのは、なかなか。

しかし、最近の少年漫画は文字が多いですね。『DEAHT NOTE』(集英社)といい、『銀魂』(集英社)といい、この漫画といい、『LIAR GAME』 といい。『BLAME! 』(講談社)の文字数で充分なオイラにとっては、漫画なのに読むのが大変です。なので文字数が多くて読み応えは充分。その文字数に負けないぐらい、モモカンのオッパイもボリュームマンテンです。人間関係や心理状態なども斬新で楽しめるうえ、野球好きが読んだらもっと面白いかも。もとドロドロした戦略・戦術野球をお求めの人は『ラストイニング』(小学館)もいいかもしれません。だけど、野球漫画といえば、『H2』(小学館)が一番好きなかな。木根竜太郎のかませ犬的役割に、敗れ行くジオンの残党に似た哀愁を感じてしまう。それにあだち充が描く、あのそよ風のそうな青春がたまりません。いや、ちょっと待てよ。『地獄甲子園』(集英社)もかなり上位に食い込むな。さすが世界屈指の野球大国。『ドカベン』(秋田書店)やどあげればきりがないぐらい野球漫画には名作が多い。





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接客を生業にしている以上、クレームというのは避けて通れない厳しいものがあります。仕事をしていて、いろいろな苦情を承る立場なのでちょっと読んでみました『となりのクレーマー』。業種は違えど、お客様と接する面ではほとんど同じなので、クレームの事例ごとに、その場の緊張した空気が手に取るようにわかり、背筋に冷たいものが流れます。

そんな苦情ですが、うちの店でも発生します。

勤め始めて3ヵ月もたっていなかった時期、アルバイトがレジカウンターから何となく店内を眺めていると、お客様と目が合い「ワレ、何見とンじゃ!」と大騒ぎになりました。その当時、大先輩のAさんが駆けつけ、「責任者は私ですので!」とアルバイトに殴りかかろうとしたそのお客様の手を握りしめて、ひたすら謝っていました。新米だった私は、ひたすら「?」と恐怖で頭がいっぱいになり、陰から様子をうかがいながら震えておりました。少しお客様から熟れた柿のような香りしていたそうですが、軽々しく人の目も見れません。

またあるときは、お客様から頂いた注文品が一週間たってもお店に到着せず、商品到着の確認に来たお客様が、「本は地球の裏側から来るんか!?」と怒号を店内に響き渡らせておりました。そのうえ「安くならんのか!?」と脅迫めいたことまで要求され、またまた経験不足だった私は「申し訳ございません」と脂汗を流しながら、平謝りしておりました。苦情の調査をしたのですが、お客様注文を受けたアルバイトは「注文には二週間以上もかかる場合がある」と伝えていたそうです。かといって、現場でお客様に「係りの者は二週間以上お時間が掛かる旨はお伝えしておりましたか?」と問えば、「聞いてないから怒っとるんじゃ!」と火に油を注ぐような可能性もあったので、確認出来ず。とにかく従業員には客注(お客様注文)の際は「二週間以上お時間を頂く場合がある」旨を伝えるよう徹底しました。それ以来同様の苦情は発生はしていませんが、猶予期間を含めた二週間という時間は何とかならんのでしょうか? 


話は脇に逸れましたが、さすが長年お客様相談室で仕事を勤めあげた作者ならではの、修羅場のような実体験の数々。そして、その対応には舌を巻くものがあり、非常に勉強になります。願い下げしたいクレーム対応ですが、本文のなかで、クレーム対応がいかに大事か、わかりやすく解説されています。当店でも謝罪が通じたのか、後者の事例のお客様は、それ以来何度も当店でお買い物していただいております。誠意が通じたのか、対応が良かったことが証明されたのか、何となく嬉しい気持ちになります。お客様相談室ではありませんが、これもまた仕事冥利に尽きる一場面でもあります。作者の関根さんが仰られるように、今思えば「ああすればよかった」と思う場面がいくつもあり、自分の未熟さ、お客様の心の底にあるご要望など、接客とは難しいものだと、仕事の奥深さの入り口を見せられる一冊。

また、「苦情学」もあわせて読むと、クレームに対する組織的対応や、クレームを通してのマーケティング、また組織の構造的問題点などより幅広い視野でクレームを掴むことができます。

そんな「苦情学」ですが、このキーワードに関する問題は大丈夫なのだろうか? (c)表記を見つけられないのですが…。

http://members.aol.com/Loyalty0Study/goodman.htm

その時はその時で関根さんの対応が光るはずだ。このエントリーの文章、ですます調でかなりキモイ。


yourei.jpgまたまた買ってしまいました、『楊令伝』。もう2巻まで買ってしまったら、全20巻発売されようが最後まで買わざるを得ないです。アレが「覇王翔吼拳を使わざるを得ない」状態に近いです。

毎度毎度、「嵐翠」とか「乾坤」とか難しいサブタイトルがついていましたが、楊令伝になってより難しくなってます。今回は「辺烽」。難しすぎる。読めませんし、PCで変換できません。特に「」の漢字。「とぶひ」と読むそうですが、狼煙を上げる施設のことのようです。映画『ロード・オブ・ザ・リング』で援軍を求めた時に、使われてたあの施設です。正確な意味はわかりませんが、遠くのほうで、もしくはあちらこちらで、狼煙(戦の合図)があがったって意味なんでしょう。




    以下はネタバレ御免です。




この巻で狼煙が様々なところから上がります。遂に『替天行道』の旗があがり、梁山泊の仲間の前に現れた楊令。北方の情勢はその緊張が極限状態に。そして、公孫勝が教祖方臘に挙兵を仕向ける計略を実行し、戦いの幕は切って落とされます。まさに狼煙の煙が宋を包み込むような感じです。

教祖方臘の出現で宗教、国家間の外交戦略と新要素が加わり、面白さが増してます。そんなところもあったんですけど、今回俺的には「天罪の夢」で楊令が呉用に語った、戦の後の話が忘れられません。志を立てて、古い国家を倒した新しい国は、ただいくらかましにすぎないということ。そこで楊令は新しい国を夢見て戦うしかないと思い定めたとも語っています。ここが『水滸伝』とは違い、なんと儚いんだろうと。この儚い楊令の志の行き先。とても気になります。

龍虎の拳「覇王翔吼拳」を使わざるを得ない


スゴイ漫画を読みたいと常々思ってるわけですが、久々にキました『シグルイ』。コレはヤバイです。登場人物全員が病んでるという異常っぷり。かつてないプッツンな奴らが作り上げています。山口貴由氏の描写が末恐ろしい。一言で言うなら会田誠meets武士道。間違いなくR-18です。子供にこんな漫画読ませられません。もし仮に自分の娘が読んでたら、お父さん卒倒しちゃうよ。

詳しいストーリーはこちら→シグルイ(wiki)

『殺し屋1』系の“エログロ”と『範馬刃牙』系の“最強”をお求めの方には是非オススメ。お母さんの前や電車の中では読まないでください。もう耽美とかいうレベルじゃないんだぜ! 9巻でてるのかよ。早く読みてぇ~!!


以前『夏の商戦』というエントリーで(題名と内容が一致していないのが恥ずかしいのですが)コメントを頂いた輪さんオススメの『死神の精度』を読んでみました。人から勧められた本というは微妙なもので、以前、リアルでノッポの店員さんから『ハサミ男』を紹介されて読んでみて、ミステリーはちょっとダメだと気付いて、何とも言えない評価をしてしまいました。ラーメンでもそうなんですが、友達から薦められたものが自分にあわなかったりすると、気まずいもんです。

しかし、この『死神の精度』はよかった。面白い。読み始めの頃は、冷静な態度にしては、この死神は間が抜けてると、ちょっと変に感じていたんですが、帯に「クールでちょっとズレてる死神」という文字を見て、わざとやってんだと気付いて(さすが俺バカ)、そこから本格的に世界に入れました。文章ができる特有のトリックが満載です。『ハサミ男』のおかげで免疫ができてたので、そのトリックがなおさら楽しめました。コレを映像化すると難しいだろうなと思ってたら、やるんですね映像化。やっちゃうんですね映画。金城武が主演なんですね。間が抜けたというか、茫洋とした感じとういか、その雰囲気はありそうです。でも、主人公の死神、つまり千葉は名前だけが同じで、外見は変わってしまうって設定なんじゃないのか? だったら、死神をメインキャストにして金をかけるより、死神に選ばれた人間のキャストに金をかけて欲しいです。映画化すると時間という障害がありますので、6話中何話かは端折られるということで、あの時の!っという伏線がどれだけ発揮できるかが焦点です。

ストーリーは、死神だから死について考えるとか、そういう重たいものではなくて、死神の視点から見たバカな人間の世界だけど、それでも何だかちょっといいってお話です。「敬鬼神而遠之」の方でもOKだと思います。ググって知ったんですけど、「敬鬼神而遠之」から敬遠ってきてんのね。

話によると伊坂作品を読んでる人なら、いろいろと楽しめるということで、コレを読むなら先に『オーデュポンの祈り』と『重力ピエロ』を読むとよりいっそ楽しめるそうです。『最悪』は買ったんですが、まだ読んでません。重そうなので、気力が充実してるときに読もうと思います。

夏ってのは、本屋にとって景気のいい時期みたいで、コミックがバシバシ際限なく入荷してきて、消えてゆき、また入荷しております。おまけに児童書に属する課題図書がものすごい勢いで売れてまして、世に言う『甘い汁』とはこのことなのだろうかと思う、クールビズの影響で室内まで蒸し暑い今日この頃です。せめてドライにしてくれんかな。面陳の文庫の表紙が湿気なのか、めくれてしまって、見た目がよくない。

とにかく、今年も半分を切ったわけで、もうそろそろ夏が幻の如く過ぎ、肌寒くなったと思えば、コタツを出しているという、ある種悟りにも似た悲愴で無情のローテーションとともに、年が暮れてゆくわけです。ここで半年を締めるために自分なりの2007年上半期BEST3を挙げてみたいと思います。

BEST 3  『水滸伝』


この半年、『水滸伝』なくして文芸、文庫新刊は語れないといっても過言ではないでしょう。去年から読みふけった長編歴史小説です。集英社から文庫として毎月は発売されてたり、続編『楊令伝』が発売されたりしました。『水滸伝』はボチボチの売れ行きですが(19巻も出るのでトータル的にはスゴイ売り上げ)、うちの店ではちょっと渋いぞ『楊令伝』。考えてみれば、『水滸伝』全19巻を読んだ人しかわからないわけで、読破した人もそう多くはいないでしょう。なので、かなりコアな人にしか手にとってもらえない作品でもある。その辺は伸び悩んで当然か。『楊令伝』も何巻まででるか、今後が楽しみです。個人的には、楊令の性格があまりにも変わってて、違和感があった。もっと素直な子やったんやけどね。これが伏線なのか、楽しみなところでもあります。



BEST  2 『決断力』


将棋の世界はまさに勝負の世界なんだなと、男のロマンを感じた羽生さんの新書版エッセー。ちょっと前に重版がかかってた作品です。ビジネス、ギャンブル、スポーツ、コンテスト、勝ち負けがつく世界に身をおく人なら、必読の本です。勝負の難しさと同時に面白さを感じてしまいます。一番印象に残ったのは、自分の流れを作る工夫が必要ということでした。スタンドプレー大好きの俺にはできない芸当です。一人で戦う世界にも、いや、そんな孤独な戦いでも、味方いるといないとでは、天と地の差があると思い知らされます。孤独しがちなおいらには、脳天に稲妻でした。



BEST 1 『秘密』


きました。ケイゴリンこと東野圭吾。今年はイヤーオブ東野圭吾状態。とまりませんな。『夜明けの街で』もバンバン売れてます。この『秘密』は『幻夜』を読んで、ものたらんなと思ってたときに、通勤途中、正面に座ってた同年代のサラリーマンが、驚きの眼差しで目を輝かせながら食い入るように読んでて、「そんなおもろいんかい?」と思って読んだのがきっかけ。『幻夜』→『手紙』→『秘密』と入っていったので、この作品も暗いヘビーな小説なんやろうなと思ってたら、そうでもない! 詳しくは言えませんが、映画『ゲーム』が大好きなんですね。『ゲーム』って「そんな、そんな、どんでん返しが!」っていうスゴイ仕掛けがあって、それぐらいの仕掛けがこの小説にもあります。どんでん返しされたい人は読んでください。もうね、このラスト、「ヨメっ!!!!?」って感じです。

重松清の話題作『流星ワゴン』もよかったし、司馬遼太郎『坂の上の雲』『竜馬がゆく』もおもしろかった。『バンビ~ノ』も漫画ながらも上位に食い込むと思います。幾多の名作を押さえて上記の三作品を2007年上半期BEST3といたしました。こんな本が面白いとかあれば、メッセージ下さい。出来る限り読んでみたいと思います。

今年も半分になりましたがどんな本が待ってるんでしょうか。楽しみです。

行きの電車で『坂の上の雲』を読み終わり、帰りの電車で読むのもがなかったので、何か軽い読み物ないかなと、棚を見ていると、「短編集」という『1ポンドの悲しみ』が目にとまって、買ってみました。恋愛小説なんて読んだことあったかなと、考えてみみましたが、中島らもの『今夜すべてのバーで』と村上春樹作品系が近似値を示すぐらいで、こんなコテコテなのはあんまないです。

はじめの「ふたりの名前」は、2人の所有物をハッキリ分けるために全てのものに「A」と「T」を書き分けるカップルの話。この所有権をめぐって骨肉の争いの後に、ささやかな幸福がくるんだろうな、なんて思ってたら、軽やかにハッピーエンド。予想外。何とあっさりしているんだろうか。この季節に妙な心地いい空気を送り込んでくれました。

すんなり男と女の仲ができてしまうところには、彼女がいない私にとって「んなことねぇーだろ」みたいな、「バーカ、バーカ、現実は厳しいんだよ」という一種の負け犬的感情があったのですが、素直になれば結構簡単なのかもしれないという、淡い期待も沸いてきました。

あっさりしてていいです。猛烈に恋がしたくなるというような物語はありませんでしたが、既に花の20代を終えようとしている、終わった女性の主人公が多くて、がんばってんだなーと思いながら、同じ日本の夜空の下でカップルが幸せな時間を過ごしていると思うと、ひねくれた私でも不思議と、何だかちょっと幸せな気持ちになれた、恋愛小説でした。


 


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