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新書の担当もしてまして、新書もチェックをいれております。最近のベストセラーは「裁判官の爆笑お言葉集」でしょうか。この本を初めて読み終わった時の感想は、言葉は悪いですが正直ムナクソ悪かったです。ここで取り上げられる、裁判官の言葉は殺人や凄惨な事件、どこにも行きようのない事件の裁判の中で語られた言葉もあります。それで『爆笑』の冠をつけるかと、編集を担当した小木田順子さんに問いたい。事件被害者、被害者遺族の気持ちを、加害者、加害者家族の気持ちを、裁判官の刑を言い渡す重責を、それに携わった人たちの気持ちを考えたのか。それを踏まえて尚、『爆笑』をつけるか。これこそシュール過ぎて笑えない。

P209で「私も要領よく生きていきたいと思うのですか…。」とあるがこの言葉にも引っかかった。それはそうしたいと思う本心なのか、そうしたいけど現実はそうじゃないんですよという嘆きなのか、謙遜を装った偽善か。この三択なら、私の答えは『謙遜を装った偽善』。人の裁判を笑いものにして、ちゃっかりベストセラー。長嶺さん、あんたしっかり要領よくいきてるよ。それをごまかすかのように謙遜した態度で、そんな言葉を残せるなんて、要領を得てしっかりお金にしているとしか言いようがない。保身もバッチリですか。それと同時に自分も付随して金儲けをしている自分にも反吐がでそうだ。仕事だからと言い訳するが、納得はしていない。

もしかしたら、長嶺さん、もしくは小木田さんも納得していないかもしれない。楽観かもしれないが、編集とライターの間に意識のギャップを感じた本でもあった。ライターがお熱だったのか、編集がお熱だったのかは察しきれない。だから、売れただけに気の毒だ。両方がお熱だったら救いようがないが。ただ、あとがきで小木田さんが「ふざけたこと書いちゃダメよ。それくらいにしときなさい」の一文は誰がお熱だったのか、ほのかに香ります。逆にライターの心遣いかもしれません。

ライターの立ち位置が傲慢なうえ、文章が稚拙。そんなところも癪だった。いっそのこと、北尾トロのように傍聴人の視点に徹して文章を書いたほうが、受け入れやすい。

特に『爆笑』とつけてはいけないと思ったのは、P126京都の実母を殺害し自ら死のうとした心中事件だ。

(新版)温情判決≪介護のはなし≫(認知症の母親殺害事件)


『爆笑』さえはずしてくれれば、納得できる。長ったらしく偉そうに批判めいたことを書いたが、それでも私は読書を楽しんだり、amazonで本を紹介したり、blogで自分の好きなことをしたりして生きている。そう他人事だ。残念なくらいに。

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